取るとは
取る
とる
言葉 | 取る |
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読み方 | とる |
意味 | 離れている物や置いてある物を、手に持つ。にぎる。あつかう。 付いている物をはずす。取り除いてなくす。 受けいれる。手にいれる。貰う。得る。 必要とする。ついやす。 自分の身に引き受ける。身に負う。 悪い結果をまねく。 書いたりして後に残す。記す。写す。 物事を理解する。解釈する。 調べる。はかる。 ある状態を保ち、乱れないようにする。 栄養をからだの中に取り込む。食べる。 いくつかの中から、自分が満たされるものを選択する。 前もって予約する。確保する。 注文して店から持ってこさせる。 人を迎えいれる。 新聞や雑誌などを定期的に購入する。 からだを動かし、競技や遊びを行う。 |
使用漢字 | 取 |
取るを含む故事・ことわざ・慣用句
揚げ足を取る(あげあしをとる)
相手の言い間違いや言葉じりをとらえて、やり込めたり皮肉ったりすること。 相手のあげた足を取って倒すように、相手の失言や失敗につけ込むことから。
大根の皮取らぬ阿呆、生姜の皮取る阿呆(だいこんのかわとらぬあほう、しょうがのかわとるあほう)
大根は皮をむかないとまずい。生姜は皮をむくと食べるところが少なくなる。物事の適正を知らない愚か者のたとえ。
得を取るより名を取れ(とくをとるよりなをとれ)
利益を得ることより、名誉を大切にせよということ。
人の褌で相撲を取る(ひとのふんどしですもうをとる)
人の物を利用して自分の利益を図ることのたとえ。 自分の褌を使わず、人の褌を借りて相撲をとることから。
医者が取るか坊主が取るか(いしゃがとるかぼうずがとるか)
生死の境にいるような重病人のこと。生きているうちは医者が金を取り、死んでしまえば僧侶が金を取るということから。また、所詮あの世に金は持っていけないと守銭奴を皮肉ることば。
盾に取る(たてにとる)
ある物事を、自分の身を守る口実にすること。言い訳の材料にすること。
盗人の上米を取る(ぬすびとのうわまいをとる)
悪人にも、上には上がいるということ。 盗人が盗んだ物の一部を盗み取ることから。
猿猴が月を取る(えんこうがつきをとる)
自分の能力をわきまえず、欲張ったまねをして失敗することのたとえ。 猿が水に映った月を取ろうとしたとき、枝が折れ水に落ちて溺れ死んだという故事から。 「猿猴が月」「水の月取る猿」「月の影取る猿」ともいう。
短を捨てて長を取る(たんをすててちょうをとる)
欠点や短所を除いて、長所のみを参考として取り入れること。
取るより庇え(とるよりかばえ)
より多くの利益を求めずに、今あるものを失わないように守れということ。
泣く泣くもよい方を取る形見分け(なくなくもよいほうをとるかたみわけ)
どんな時でも、人間は欲だけは忘れないということ。親などが死んで悲しんでいる時でも、形見分けで良い物を選ぶということから。
名を捨てて実を取る(なをすててじつをとる)
名誉や名声などの体裁にこだわらず、実際の利益や内容を選ぶこと。 単に「実を取る」ともいう。
名を取るより得を取れ(なをとるよりとくをとれ)
名誉や名声を得るより、実際の利益を得るほうがよいということ。
始めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣くとも蓋取るな(はじめちょろちょろ、なかぱっぱ、あかごなくともふたとるな)
御飯の上手な炊き方をいったもの。炊き始めは弱火で、中ごろは強火にし、途中で蓋を取ってはいけないということ。
左褄を取る(ひだりづまをとる)
芸者になること。芸者が左手で着物の褄(つま)を持って歩くところから。
一人相撲を取る(ひとりずもうをとる)
相手や周囲のことを考えずに自分独りで気負いこんで事を行うこと。また、それが徒労に終わるたとえ。
大事を取る(だいじをとる)
軽々しく行動せず、用心して物事を行うこと。用心する。自重する。
暖を取る(だんをとる)
焚き火や暖房器具などで体を暖める。
当たりを取る(あたりをとる)
興行や商売などが成功する。好評を博する。
調子を取る(ちょうしをとる)
釣り合いが取れた状態を保つこと。 または、音の高低や強弱などをある基準に合わせること。
イニシアチブを取る(いにしあちぶをとる)
率先して物事を行い、他を導く。主導権をにぎる。
裏を取る(うらをとる)
裏付けとなるものを捜し出すこと。真偽を確認すること。
手玉に取る(てだまにとる)
自分の思うままに他人を操ること。
手に手を取る(てにてをとる)
互いの手を取って仲良く行動する様子。 特に互いに愛し合っている男女が一緒に行動する様子をいう。
手に取るよう(てにとるよう)
実際に手で触れてみるかのように、はっきりと分かる様子。 目の前にあるかのように、はっきり見えたり聞こえたりする様子。
手を取る(てをとる)
相手の手を握り親愛の気持ちなどを表す。または、物事を親切・丁寧に教える様子。
名を取る(なをとる)
評判や名声を得ること。有名になること。
音頭を取る(おんどをとる)
大勢で何かを行うとき、先頭に立って取りまとめをすること。
舵を取る(かじをとる)
物事がうまく進むように全体をまとめて導くこと。 船が正しい方向に進むように、舵を操るということから。
掠りを取る(かすりをとる)
仲介者が、他人の利益の一部を自分のものとして取ること。
機嫌を取る(きげんをとる)
相手の喜ぶような言動をとって気に入られようとすること。 また、相手の気持ちを慰めたり和らげたりすること。
床を取る(とこをとる)
いつでも寝ることができるように布団を敷くこと。寝所をつくること。
取るに足らない(とるにたらない)
わざわざ取り上げる価値はない。些細な。
取る物も取り敢えず(とるものもとりあえず)
この上なく慌てて行動する様子。 必要な物を取る余裕もないという意味から。
言質を取る(げんちをとる)
交渉や約束などで、後で証拠となるような言葉を相手に言わせること。
大当たりを取る(おおあたりをとる)
商売や芝居などの興行が、大成功を収めること。
後れを取る(おくれをとる)
相手に先をこされること。 また、相手よりも劣った状態になること。
小股を取る(こまたをとる)
相手の隙をねらって自分の利益をはかること。 相手の股の内側を手で掬(すく)ってたおす相撲の技から。 「小股を取る」ともいう。
引けを取る(ひけをとる)
相手に負けること。 または、相手よりも劣ること。
暇を取る(ひまをとる)
使用人などが主人に申し出て休暇を取る、 または、仕事を辞めること。 また、離縁すること。
鞘を取る(さやをとる)
売買の仲介をして差額の一部を利益として得ること。
死に水を取る(しにみずをとる)
死ぬまで世話をすること。死ぬ間際の人の唇を水で濡らすということから。
不覚を取る(ふかくをとる)
油断が原因となって失敗すること。
脈を取る(みゃくをとる)
患者を診察すること。
陣を取る(じんをとる)
戦争の陣地や陣営を構えること。または、ある場所を自分のものとすること。 「陣取る」や「陣を構える」ともいう。
一本取る(いっぽんとる)
剣道や柔道などで技が決まる。 議論などで言い負かす。相手をやり込める。