食うとは
食う
くう
言葉 | 食う |
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読み方 | くう |
意味 | 食べ物をかんで飲み込むこと。「食べる」の乱暴な言い方。 かみつくこと。または、虫が刺したり、かじったりすること。 実力が上の相手を負かす。 必要以上に激しい態度と言葉で相手に迫ること。 他の勢力や領域を侵す。 他から不都合な出来事を身に受ける。 時間や金銭を無駄に使う。 暮らしを立てる。生活する。 相手を見下して軽く扱う。 |
使用漢字 | 食 |
食うを含む故事・ことわざ・慣用句
憂いも辛いも食うての上(ういもつらいもくうてのうえ)
悲しい・辛いなどの不満は、衣食が満たされているから言える事なので、食べることさえままならない状況ではそんな事は言っていられないということ。
粋が身を食う(すいがみをくう)
遊びの道に通じた粋人は、遊興の道にふけって最後は身を滅ぼしてしまうということ。
夢に餅食う(ゆめにもちくう)
夢ではないかと思うような幸運が舞い込むことのたとえ。 「夢に餅」「夢に餅食う」ともいう。
明日食う塩辛に今日から水を飲む(あすくうしおからにきょうからみずをのむ)
手回しがいいように見えて、実は無意味なことのたとえ。
蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)
人の好みはさまざまであるというたとえ。 辛い蓼の葉を好んで食べる虫もいるように、人の好みはいろいろあるとの意から。
身で身を食う(みでみをくう)
自分で自分をだめにすることのたとえ。 自分で自分のからだを食べるとの意から。 「身で身を詰める」ともいう。
同じ釜の飯を食う(おなじかまのめしをくう)
同じ職場で働いたり苦楽を共にしたりすること。また、そのように過ごす親しい仲間のこと。 「一つ釜の飯を食う」ともいう。
他人の飯を食う(たにんのめしをくう)
親元を離れ、他人の間に揉まれて実社会の経験を積むこと。
塗り箸で素麺を食う(ぬりばしでそうめんをくう)
滑ってはさみにくいことから、物事のやりにくい様子のたとえ。 「塗り箸で素麺(そうめん)を食う」「塗り箸で鰻(うなぎ)を挟む」ともいう。
食うことは今日食い、言うことは明日言え(くうことはきょうくい、いうことはあすいえ)
食べ物は早く食べたほうがおいしく味わえるが、ものを言うのはよく考えてからのほうが賢明だということ。
食うた餅より心持ち(くうたもちよりこころもち)
ごちそうしてもらったり、贈り物をもらったりするのもうれしいが、それをしてくれた相手の心持ちがもっとうれしいということ。「餅」と「持ち」をかけたしゃれ。
食うに倒れず病むに倒れる(くうにたおれずやむにたおれる)
食べることはなんとかなるが、病気になると治療費で財産を失うことになるということ。
河豚食う馬鹿、食わぬ馬鹿(ふぐくうばか、くわぬばか)
河豚(ふぐ)には毒があるのでむやみに食べるのも愚かだが、毒を恐れておいしい河豚を食べないのも愚かであるということ。 「河豚食う無分別河豚食わぬ無分別」ともいう。
傍杖を食う(そばづえをくう)
自分と関係のないことで、思いがけない災難を受けること。 喧嘩している近くにいたために、打ち合っている杖で打たれることから。 「側杖を食う」とも書く。
抱いた子の塵を食うを知らぬ(だいたこのちりをくうをしらぬ)
内輪のことには案外気が回らないというたとえ。 抱いている子どもが、ごみを口に入れても気がつかないことがあるとの意から。
蛸は身を食う(たこはみをくう)
資本や財産を食い減らすたとえ。蛸は空腹になると自分の足を食うといわれるところから。
泣く口は物食う(なくくちはものくう)
泣いているときであっても、食べることだけはやめられないということ。
働かざる者食うべからず(はたらかざるものくうべからず)
怠けて働こうとしない人間に食べる資格はないということ。働かずに遊び暮らす者を戒める言葉。
肘鉄砲を食う(ひじでっぽうをくう)
誘いや申し出を拒絶されること。 「肘鉄砲」は肘で突きのけること。転じて、誘いや申し込みをはねつけること。 「食う」は受けること。 「ひじでっぽう」は「ひじてっぽう」ともいう。 また、略して「肘鉄を食う」「肘を食う」ともいう。
冷や飯を食う(ひやめしをくう)
冷たい扱いをされるたとえ。長男が家督を継ぐとされていた時代、次男以下の男子は冷遇され、家族の食事のあとに冷えた飯を食べていたことから。
煽りを食う(あおりをくう)
周囲の状況の急激な変化により、思いがけない影響や災難を受ける。
足止めを食う(あしどめをくう)
何らかの事情でその場から先に進めなくなったり、外出を禁じられたりする。
泡を食う(あわをくう)
思わぬ出来事に、ひどく驚きあわてることのたとえ。
吊るし上げを食う(つるしあげをくう)
その場にいる大勢の人たちから厳しく責め立てられること。
うっちゃりを食う(うっちゃりをくう)
最後の場面で、形勢を逆転される。 「うっちゃり」は、相撲で土俵際まで追い詰められた力士が、体をひねって逆に相手を土俵の外に投げ出す技。
お預けを食う(おあずけをくう)
決定しかけていた事や約束していた事の実現が、何かの事情で延期になること。
置いてきぼりを食う(おいてきぼりをくう)
他の者から置き去りにされる。置いて行かれる。
大目玉を食う(おおめだまをくう)
悪いことをして、ひどく叱られること。
一杯食う(いっぱいくう)
すっかりだまされる。たくらみに引っかかる。
年を食う(としをくう)
年を取ること。年老いること。
霞を食う(かすみをくう)
俗世間を超越した生き方をすること。 仙人が、霞を食べて生きていると言われたことから。
弾みを食う(はずみをくう)
他の事柄の影響を受けて、予想外の事態に巻き込まれること。
金を食う(かねをくう)
期待されるほどの効果がないにも関わらず、やたらに費用がかさむこと。
貪欲は必ず身を食う(どんよくはかならずみをくう)
強すぎる欲望は身を滅ぼすという戒め。
食うか食われるか(くうかくわれるか)
優劣がつけられないほど、実力に差のない者同士が生き残りをかけて命懸けで戦うこと。 相手を食うか自分が食われるかとの意から。
食うや食わず(くうやくわず)
食事も満足に取れないほど、非常に生活が苦しいようす。
臭い飯を食う(くさいめしをくう)
刑務所にはいること。 刑務所の飯が臭かったことから。
お目玉を食う(おめだまをくう)
失敗やいたずらをして叱られること。
人を食う(ひとをくう)
相手を見下した態度や言動を取ること。
不意打ちを食う(ふいうちをくう)
いきなり襲われたり、予想外の災難にあったりすること。
背負い投げを食う(しょいなげをくう)
大事な局面で信頼していた人に裏切られて酷い思いをすること。 「背負い投げ」は「せおいなげ」とも読む。
粕を食う(かすをくう)
小言をいわれたり、厳しく注意されたりすること。 主に、演劇関係で用いられる。 「粕」は「糟」とも書く。
肩透かしを食う(かたすかしをくう)
意気込んで向かったところを、相手にうまくかわされてしまうことのたとえ。 「肩透かし」は、相撲の決まり手の一つであり、相手の攻めをかわして前へ引き倒す技のこと。
蚊の食う程にも思わぬ(かのくうほどにもおもわぬ)
影響などをまったく受けないということ。
巻き添えを食う(まきぞえをくう)
自分と関係のない事故や事件に巻きこまれて損害をうけること。
道草を食う(みちくさをくう)
目的地にそのまま向かわず、途中で寄り道をしたり他のことに時間を費やしたりすること。 馬が道端の雑草を食べて、歩みが止まってしまうことから。
無駄飯を食う(むだめしをくう)
仕事をするわけでもなく、毎日ぶらぶらして暮らすこと。
すかを食う(すかをくう)
期待した通りにならないこと。当てが外れること。 「すか」は「肩透かし」という意味。
総好かんを食う(そうすかんをくう)
関わりのある全ての人から嫌われること。
割を食う(わりをくう)
損をすること。または、不利な立場に立たされること。
闇討ちを食う(やみうちをくう)
予期せぬ卑怯な不意打ちにあうこと。 「闇討ち」は、闇の中で不意打ちをする意。 「闇討ちに遭う」ともいう。