言う・謂う・云うとは
言う
/謂う
/云う
いう
言葉 | 言う・謂う・云う |
---|---|
読み方 | いう |
意味 | 口から音を出すこと。また、言葉を声で出すこと。 気持ちや考え、事実を言葉で表現すること。 名前を付けて呼ぶ。名付ける。 物や動物などが音や声を出すこと。 その状態を示す言葉。 全ての。あらゆる。 命令をだしたり、指示を出したりすること。 特定の人に態度や意思などを表現すること。 特定のものの価値を定めてはっきりと表現すること。 一般的に使われているという意味。 人や物の資質などを認めて表現すること。 世間で言われている話。噂。風説。 交渉などがうまくいくようにとりなしてもらう。 人に質問する。問う。 名前を言い表す。 意味を強める表現。 話の中心として捉える。 言葉の内容を具体的に説明する言葉。 そんなやこんなという意味。 特に強調するものがない。打ち消しの語を伴う。 先の事柄を認めて、その後の言葉で矛盾することを述べる。けれども。 先の事柄の一部は認められるが、全ては認められないことを言い表す。そうではあるが。 |
使用漢字 | 言 / 謂 / 云 |
言う・謂うを含む故事・ことわざ・慣用句
ああ言えばこう言う(ああいえばこういう)
人の意見や忠告などに対して、素直に従わずあれこれと理屈をこねること。
言うは易く行うは難し(いうはやすくおこなうはかたし)
口で言うのは簡単だが、言ったことを実行するのは難しいということ。
昔から言う事に嘘はない(むかしからいうことにうそはない)
昔から言い伝えられてきた格言やことわざは、多くの先人の経験や知識からできたものなので、どれも真理であるということ。
物言う花(ものいうはな)
美人のたとえ。言葉を話す美しい花の意。
言わぬは言うに勝る(いわぬはいうにまさる)
口に出して言うより黙っていたほうが、深い意味を相手に伝えることがあるということ。
目は口ほどに物を言う(めはくちほどにものをいう)
目の表情だけでも、口で話すのと同じくらい、相手に気持ちを伝えることができるということ。
西と言えば東と言う(にしといえばひがしという)
人の言う事にいちいち反論するようす。
死ぬ死ぬと言う者に死んだ例なし(しぬしぬというものにしんだためしなし)
死ぬ死ぬと言う者にかぎって、本当に自殺する者はいないということ。
金が物言う(かねがものいう)
金の力が絶大で、世の中のたいがいの事が金で解決できるということのたとえ。
過ちて改めざる是を過ちと謂う(あやまちてあらためざるこれをあやまちという)
人は過ちを犯したらすぐに反省して改めるべきであり、過ちを犯して改めようとしないことが本当の過ちであるということ。 「過ちを改めざる是を過ちと謂う」ともいう。
知る者は言わず言う者は知らず(しるものはいわずいうものはしらず)
物事を本当に知っている人はむやみに口に出さないが、よく知らぬ者にかぎって軽々しくしゃべるということ。
日光を見ずして結構と言うな(にっこうをみずしてけっこうというな)
日光東照宮のすばらしさを称えた言葉。日光東照宮を見ないうちは「結構」という褒め言葉を使うなということ。「日光」と「結構」を語呂合わせした言葉。
言うた損より言わぬ損が少ない(いうたそんよりいわぬそんがすくない)
しゃべり過ぎに注意せよという戒めの言葉。 言い過ぎや言い間違いから受ける損より、黙っていたために受ける損のほうが少ないとの意から。
言うと行うとは別問題である(いうとおこなうとはべつもんだいである)
口で言うことと、それを実行することとは別で、言葉通りに実践するのは難しいということ。
鹿を指して馬と言う(しかをさしてうまという)
権力によって間違いや無理を押し通すことのたとえ。 秦の始皇帝の死後、宰相となった趙高が自分の権勢を試すため幼少の皇帝に鹿を馬と言い張って献上した。皇帝は「これは鹿ではないのか?」と臣下たちに尋ねたが、趙高の権勢を恐れた臣下たちは「馬です」と答えたという故事から。 「鹿を馬」「鹿を指して馬と言う(なす)」ともいう。
食うことは今日食い、言うことは明日言え(くうことはきょうくい、いうことはあすいえ)
食べ物は早く食べたほうがおいしく味わえるが、ものを言うのはよく考えてからのほうが賢明だということ。
妻の言うに向こう山も動く(つまのいうにむこうやまもうごく)
妻の言葉は夫に対して大きな力を持っていることのたとえ。 動くはずのない向こうの山でさえも、妻が言えば動いてしまうとの意から。
石の物言う世の中(いしのものいうよのなか)
秘密や隠し事が漏れやすいことのたとえ。 言葉を発するはずのない石が物を言うほど世の中では秘密が漏れやすいとの意から。
俺は言わぬがわれ言うな(おれはいわぬがわれいうな)
相手に口止めしながら、自分が人に秘密を漏らす人間に対していう言葉。「われ」は、お前のこと。俺は人には言わないが、おまえこそ人に秘密をしゃべらないように気をつけろという戒めの言葉。
地蔵は言わぬが我言うな(じぞうはいわぬがわれいうな)
秘密を打ち明けたあと、相手に口止めしながら、自分が人にしゃべってしまう人間に対していう戒めの言葉。悪事を働いた者が、道端の地蔵に「どうか黙っていて下さい」とお願いしたところ「俺は言わぬがわれ言うな」と地蔵が答えたという昔話から。
書いた物が物を言う(かいたものがものをいう)
口約束はあてにならないが、紙に書いた物は証拠になるということ。
顧みて他を言う(かえりみてたをいう)
答えに窮して、話題を逸らしたり話をはぐらかしたりすること。孟子に問い詰められた梁の恵王が、左右を顧みて、無関係な別のことを言ったという故事から。
陰では王様の事も言う(かげではおうさまのこともいう)
誰であろうと陰口を言われない者はいないということ。 陰では王様でさえ悪口を言われるとの意から。 「陰では殿の事も言う」ともいう。
数を言うまい羽織りの紐(かずをいうまいはおりのひも)
口数が多いとろくなことがないので、おしゃべりは慎めという戒めの言葉。「数を言うまい羽織りの紐よ、かたく結んで胸に置く」という俗謡から。
証文が物を言う(しょうもんがものをいう)
いざという時には証文が効果を発揮するということ。
年寄りの言うことと牛の鞦は外れない(としよりのいうこととうしのしりがいははずれない)
経験豊富な年寄りの意見に間違いはないということ。 「鞦」は、馬や牛の尻にかけて鞍を固定する紐のこと。
針ほどのことを棒ほどに言う(はりほどのことをぼうほどにいう)
小さなことを大げさにいうことのたとえ。 針くらいの小さいものを、棒ほどの大きさにいうとの意から。
人の噂を言うは鴨の味(ひとのうわさをいうはかものあじ)
人の悪口を言ったり噂話をしたりする楽しさを、おいしい食べ物の代表とされる鴨の肉にたとえた言葉。 「鴨(かも)」は「雁(がん)」とも、また「人の噂を言うは鴨の味」ともいう。
学ぶに暇あらずと謂う者は暇ありと雖も亦学ぶ能わず(まなぶにいとまあらずというものはいとまありといえどもまたまなぶあたわず)
勉強したくても時間がないなどという人は、もともと学ぶ意欲がないのだから、たとえ暇があったとしても勉強はしないということ。
あっと言う間(あっというま)
「あっ」と驚いている間ほどの、ほんの短い時間のこと。
有り体に言う(ありていにいう)
ありのままを言うこと。うそ偽りなく述べること。
言う口の下から(いうくちのしたから)
言ったとたんに。言ったすぐあとから。
言うことなし(いうことなし)
非の打ち所がない。申し分がない。
言うだけ野暮(いうだけやぼ)
誰もが言わなくても承知していることを、わざわざ口に出すのは愚かしいということ。
言うなれば(いうなれば)
口に出して言ってみれば。たとえて言えば。
言うに言われぬ(いうにいわれぬ)
言葉ではうまく表現することが出来ないこと。 また、差し障りがあり、言いたくても言うことが出来ないこと。
言うに及ばず(いうにおよばず)
わざわざ言う必要がない。言うまでもない。
言うに事欠いて(いうにことかいて)
他の言い方があるだろうに。また、他の話題があるだろうに。 非難の気持ちを込めて言う語。
言うも愚か(いうもおろか)
当然のことで、わざわざ言う必要もないこと。
お愛想を言う(おあいそをいう)
相手の機嫌をとるために、お世辞を言うこと。 「お愛想」は「おあいそう」ともいう。
お上手を言う(おじょうずをいう)
相手の機嫌をとるために、心にもないことを言うこと。
何かと言うと(なにかというと)
なにかある度に同じ言動をする様子。なにかにつけて。 「何かと言えば」ともいう。
一口に言う(ひとくちにいう)
短い言葉で伝えること。手短に言うこと。
四の五の言う(しのごのいう)
あれやこれやと不平や不満などの文句を言うこと。
目で物を言う(めでものをいう)
言葉にすることなく、目配せなどをして相手に気持ちを伝えること。
物を言う(ものをいう)
効力を発揮すること。また、役立つこと。
俗に言う(ぞくにいう)
世間で言う。一般に言う。 正式ではないが一般的に言われているとの意味を表す言葉。
よく言う(よくいう)
よくもそんな事がぬけぬけと言えたものだ。 相手の厚かましい物言いに対して、非難の気持ちを込めて言う言葉。
「言」を含む言葉・熟語
- 間狂言(あいきょうげん)
- 合い言葉・合言葉(あいことば)
- 悪言(あくげん)
- 遊ばせ言葉(あそばせことば)
- 当たり狂言・当り狂言(あたりきょうげん)
- 徒言(あだごと)
- 言い合い(いいあい)
- 言い合う(いいあう)
- 言い当てる・言い中てる(いいあてる)
「謂」を含む言葉・熟語
「云」を含む言葉・熟語
- 言う・謂う・云う(いう)
- 云何(いかん)
- 云為(うんい)
- 云云・云々(うんうん・うんぬん)
- 云爾(うんじ・しかいう)