「無し」の意味・対義語

「無し」(なし)の意味・読み方を解説します。対義語もあわせて確認できます。
無し
なし
| 言葉 | 無し |
|---|---|
| 読み方 | なし |
| 意味 | ないこと。 |
| 例文 | 「そのやり方は無しだな」「底無し沼」 |
「無し」の対義語(反対語)
- なし無し

- あり有り・在り
※広義での対義語(反対語)も含まれます。
「無し」で使われている漢字
「無し」を含む故事・ことわざ・慣用句
恋に上下の隔て無し(こいにじょうげのへだてなし)
人を好きになる心は、相手が上か下かを勘定に入れない。世間が引いた線を、そこだけは軽々と越えてしまう。
薬石効無し(やくせきこうなし)
薬も治療法もいろいろ試してみたが効果がなく、回復のきざしがみられないということ。「薬石」は薬と石鍼(中国の昔の治療器具)のこと。また、薬石を用いた治療、転じて治療全般のことをいう。
立錐の地無し(りっすいのちなし)
人や物がぎっしりと詰まってまったく余裕がない様子。錐を立てるほどの隙間もない意から。
労して功無し(ろうしてこうなし)
かけた手間の重さに、こちらへ戻る中身が届かない。動いた分だけ前へ進むとは限らないことをいう。
替え着無しの晴れ着無し(かえぎなしのはれぎなし)
よそゆきと普段着が同じ一枚で足りてしまう。 よそ目には整って見えても、控えの手持ちがまるで無い。
聖人に夢無し(せいじんにゆめなし)
昼のうちに抱え込むものが無ければ、夜に持ち越す像も無い。 眠りの深さは、その人の心の澄み方をそのまま映す。
名物に旨い物無し(めいぶつにうまいものなし)
土地の名を背負って売られている品ほど、口に入れてみると拍子抜けする。 もてはやされる度合いと、実際の出来ばえとが釣り合っていない例は、食べ物にかぎらない。
下戸と化け物は無し(げことばけものはなし)
一滴も駄目だと言う人でも、席と勧め手が揃えばたいてい口をつける。まるきり酒を受け付けない体質などありはしない、というのが飲む側の言い分である。
下戸の建てたる倉も無し(げこのたてたるくらもなし)
飲まずに浮いたはずの銭で身上を起こした者は、見回してもまず見当たらない。締めたところで富むとは限らないのだから、飲む楽しみを咎め立てするには及ばない——酒好きの側が返す当てこすりでもある。
死人に口無し(しにんにくちなし)
もう物を言えない相手には、どんな筋書きでも押しつけられる。反証の出しようがないのをいいことに、都合の悪いところをそちらへ回してしまう場合にいう。
勇将の下に弱卒無し(ゆうしょうのもとにじゃくそつなし)
率いる者に力があれば、その組の隅々まで気が張り、腰の引けた者が出ない。 また、力量のある者のもとへは、名を聞いた人が自ら望んで加わる。
孝行のしたい時分に親は無し(こうこうのしたいじぶんにおやはなし)
親の値打ちは、こちらが同じ年恰好になってようやく腑に落ちる。腑に落ちたころには相手はもういない——その食い違いを嘆いた川柳が、そのままことわざになった。
目に一丁字無し(めにいっていじなし)
紙に並んだ文字が、その人の目には模様としてしか映らないこと。 読み書きを教わる機会のないまま育った人を指す。 「一丁字」は文字ひとつの意。「丁」は「个」の書き誤りとされる。 「一丁字を知(識)らず」ともいう。
人有る中にも人無し(ひとあるなかにもひとなし)
世の中に人間はたくさんいるが、役に立つ立派な人間はなかなかいないということ。
欲に頂無し(よくにいただきなし)
ここまでで足りる、という線が引けない。手に入れるたびに、目指す高さだけが先へずれていく。
思い邪無し(おもいよこしまなし)
胸のうちに曲がったところがひとつもない。取り繕いも下心もなく、そのまま外へ出せる。 孔子が『詩経』の三百篇をこの一語で言い切った。
後ろに目無し(うしろにめなし)
振り向かないかぎり、こちらの手の届かない側で起きたことは分からずじまいになる。 誰にでも抜け落ちる部分はある。
稼ぐに追い付く貧乏無し(かせぐにおいつくびんぼうなし)
一生懸命働けば、貧乏に苦しむことはないというたとえ。 「稼ぐに貧乏追い付かず」「辛抱に追い付く貧乏なし」「稼げば身立つ」ともいう。
今日の後に今日無し(きょうののちにきょうなし)
今日という日は二度とやってくることはない。だから今日できることは今日やっておけという戒めの言葉。
恒産無き者は恒心無し(こうさんなきものはこうしんなし)
日々の掛かりに当てがない者に、据わった心を求めても無理がある。暮らしの土台をこしらえてやるのが先で、そこを飛ばして人を責めるなという、政をあずかる者への諫めである。
高山の巓には美木無し(こうざんのいただきにはびぼくなし)
地位の高い人は、人からねたまれたり批判されたりすることが多く、その名声を保つのが難しいというたとえ。 高山の頂上は雨風の激しい過酷な環境なので、そこに立つ木は美しい姿を保つことができないとの意から。
子に過ぎたる宝無し(こにすぎたるたからなし)
これに勝るものは無いと言い切れる持ち物は、親にとっては我が子しかない。ほかに何を積んでも、その位置は動かない。
山中に暦日無し(さんちゅうにれきじつなし)
山の中で俗世間を離れて暮らしていると、月日の経つのも忘れるということ。「暦日」は、月日の意。
小人罪無し、玉を懐いて罪有り(しょうじんつみなし、たまをいだいてつみあり)
これといった落ち度のない者でも、暮らしぶりに釣り合わない値打ち物を抱え込めば、それだけで周りの欲を引き寄せてしまう。 持ち主に非があるのではなく、持ち物のほうが咎めを連れてくる。 「璧」は、平たく円く磨き上げた玉。
其の右に出ずる者無し(そのみぎにいずるものなし)
並べてみても、その人より上に置ける者がいない。 席次で右を上とした古い習わしから、右へは誰も座れないという言い方になった。
損せぬ人に儲け無し(そんせぬひとにもうけなし)
持ち出しをまったく出さずに通そうとする人のところへは、大きく返ってくる話も来ない。 減る覚悟のない金は、増えもしない。
大家後無し(たいかのちなし)
一つの道を極めた人の跡から、同じ高さの者は出てこない。 持って生まれたものと、注いだ時間の量は、子に引き継げない。
玉磨かざれば光無し(たまみがかざればひかりなし)
生まれ持ったものは、そのままでは表に出ない。年月をかけて己を練り上げたぶんだけ、人の目に留まるようになる。 「玉磨かざれば器を成さず」「玉琢かざれば器を成さず」ともいう。
天に口無し人を以て言わしむ(てんにくちなしひとをもっていわしむ)
誰が言い出したともなく世に行き渡った評判は、当人たちの思惑を越えたところから出ている。そこには相応の理由があるとみて、軽んじてはならないとする。 また、伏せておいたはずの事柄が、いつしか人づてに広まる例にも当てはめる。
天に二日無し(てんににじつなし)
天に太陽が二つないように、君主もただ一人だけで、二人存在してはならないということ。 「二日」は、二つの太陽。 「天に二日無し、土に二王無し」「天に二つの日無し」ともいう。
裸で物を落とした例無し(はだかでものをおとしたためしなし)
懐に一つも入っていなければ、こぼれ出るものもない。 抱える物がないぶん道中は軽く、そのほうがましだと言ってのける側の理屈。
百害あって一利無し(ひゃくがいあっていちりなし)
差し引きを考えるまでもなく、まるごと損になる。 続けて得るものが何ひとつ無いときにいう。
柳に雪折れ無し(やなぎにゆきおれなし)
受け流すものは壊れない。突っ張らずに撓む側のほうが、押しの強さを最後まで持ちこたえる。
野に遺賢無し(やにいけんなし)
使える人はもう残らず取り立ててあるという触れ込み。世の治まりぶりを誇る言葉だが、登用から漏れた者を納得させる口実にもなった。 「遺賢」は、取り立てられずにいる有能な人。
名有りて実無し(なありてじつなし)
名声や評判ばかりが立派で、実際の内容や実力が伴わないこと。[[有名無実*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1229.html]]とも。
のべつ幕無し(のべつまくなし)
物事が途切れることなく続く様子。休みなく続くさま。芝居の場面転換で幕を引かずに演じ続けたことに由来する。
鑿に鉋の働きは無し(のみにかんなのはたらきはなし)
どれだけすぐれた道具であっても役目は決まっており、他の道具の代わりにはならないというたとえ。人や物には、それぞれふさわしい務めがあるということ。 鑿(のみ)は木材に穴をあけたり削り取ったりする道具。 鉋(かんな)は木の表面を薄く削ってなめらかに仕上げる道具。
小人は始め有りて終わり無し(しょうじんははじめありておわりなし)
つまらない人間は、物事を開始することはできても、最後までやり遂げて成果を出すことができない。 また、つまらない人物の付き合いは、その情義や誠実さを最後まで保つことができないということ。
向かう所敵無し(むかうところてきなし)
どこへ出て行っても、まともに張り合える者が見当たらないこと。行く先々で相手を退けてしまうほど強いさまをいう。
人至って賢ければ友無し(ひといたってかしこければともなし)
もののわかりが良すぎる人の周りからは、気安く付き合える相手がいなくなる。内心まで見通されるとわかっていて、なお近寄ろうとする者は少ない。
兵に常勢無し(へいにじょうせいなし)
いくさの構えに、あらかじめ決めておける型は無い。敵がどう動くかによって、こちらの形はそのつど組み替えるもの。
騙すに手無し(だますにてなし)
はじめから欺く腹づもりで向かってくる相手には、どれだけ身構えていても及ばない。また、その場を切り抜ける道が、偽りを使うほかに見当たらないときにもいう。
身に勝る宝無し(みにまさるたからなし)
どれだけ財を積んだところで、それと引き換えに差し出せはしない。いざとなれば人は、自分の体ひとつを先に庇う。
三日書を読まざれば語言味無し(さんじつしょをよまざればごげんあじなし)
本から離れた日が続くと、話す言葉から張りが失せる。 学びを絶やすまいと戒めるときに引く。
名将に種無し(めいしょうにたねなし)
すぐれた将は血筋が生むものではなく、育ちと本人の努力でできあがるということ。
子無しに子を呉れるな(こなしにこをくれるな)
わが子を育てたことのない相手に、子を養子として託してはいけないという戒め。 手をかけて育てた覚えがなければ、子に注ぐべき情の深さもわからないという見方から。
鬼神は邪無し(きじんはよこしまなし)
神は筋の通らないことや不正には手を貸さないということ。 横道は道理にはずれたおこない。
