「口」の意味

「口」(くち)の意味・読み方を解説します。
口
くち
| 言葉 | 口 |
|---|---|
| 読み方 | くち |
| 意味・例文 |
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| 補足 | 下に付いて濁ると「口(ぐち)」になる。 |
「口」で使われている漢字
「口(くち)」を含む故事・ことわざ・慣用句
開いた口が塞がらない(あいたくちがふさがらない)
とうてい真に受けられないようなふるまいや物言いに接して、ものを言う気も失せてしまうこと。 あきれ果てて開いたきりの口が、そのまま閉じられずにいる姿からいう。
能なしの口叩き(のうなしのくちたたき)
なんの役にも立たない人ほど、よけいなことをぺらぺらしゃべり、口先だけは達者だということ。
口は災いの元(くちはわざわいのもと)
何気なく漏らした一言が、あとを引く揉め事の火種になる。 言わずもがなの一言を呑み込めるか否かが、身の安泰の分かれ目になる。
開いた口へ牡丹餅(あいたくちへぼたもち)
努力もなしに思いがけない幸運がやってくること。
身知らずの口叩き(みしらずのくちたたき)
自分の丈がどれほどかも量れないまま、言い分だけが人より前へ出る。 「口叩き」とは、舌がよく回ることをいう。
目は口ほどに物を言う(めはくちほどにものをいう)
言葉で語るのに劣らないほど、目のようすには思いや感情がありありと表れ、相手に通じるということ。
口あれば京へ上る(くちあればきょうへのぼる)
その気さえあれば、たいていのことはやれるというたとえ。 人に道を聞ける口を持っていれば、遠い都までもたどり着けることからいう。
口が動けば手が止む(くちがうごけばてがやむ)
話に夢中になると、仕事をする手先がおろそかになるということ。
口が干上がる(くちがひあがる)
生活が苦しくなり、食べていけなくなること。
口から出れば世間(くちからでればせけん)
いったん口に出したことは、いつの間にか世間に広まるから、口は慎めということ。
口自慢の仕事下手(くちじまんのしごとべた)
口は達者だが、仕事はさっぱりできないこと。
口では大阪の城も建つ(くちではおおさかのしろもたつ)
現実にはまず無理な事柄も、口で語るだけなら、どこまでも大きく言える。 大坂城のような大きな城でさえ、口の上でならたやすく建ててしまえるとたとえた。 「大坂」は今の「大阪」の古い書き方で、明治のはじめに書き改められた。そのため「口では大坂の城も建つ」とも書く。 おしゃべりは得意でも働きの伴わない様子をいう[[口自慢の仕事下手*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/953.php]]や[[口叩きの手足らず*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/955.php]]も、これと意味が近い。
口と財布は締めるが得(くちとさいふはしめるがとく)
口と財布はきちっと締めておいたほうが得策だから、おしゃべりと浪費は慎めということ。
口には関所がない(くちにはせきしょがない)
人の口から出る言葉をさまたげる関所はない。だから何を言っても自由だというたとえ。
口に針(くちにはり)
言葉に悪意や皮肉がこめられていること。
口に蜜あり、腹に剣あり(くちにみつあり、はらにけんあり)
愛想のよい受け答えの裏で、相手を仕留める段取りを進めている。 笑顔のまま近づいて足をすくう型の油断ならなさを言い、唐の宰相李林甫を評した言葉に始まる。
口は口、心は心(くちはくち、こころはこころ)
言うことと、心の中で思っていることとが一致しないこと。
口は重宝(くちはちょうほう)
口は便利なもので、口先だけならなんとでも言えるということ。
口は閉じておけ、目は開けておけ(くちはとじておけ、めはあけておけ)
よけいなことをしゃべらず、物事はしっかり見よということ。
死人に口なし(しにんにくちなし)
もう物を言えない相手には、どんな筋書きでも押しつけられる。反証の出しようがないのをいいことに、都合の悪いところをそちらへ回してしまう場合にいう。
手が空けば口が開く(てがあけばくちがあく)
仕事がなくなり手が空けば、食べる物もなくなり口も開いてしまう。また、暇になればつい無駄話をしがちだということ。
人の口に戸は立てられぬ(ひとのくちにとはたてられぬ)
世間の噂話は止めることができないということ。 「立てる」は閉めることで、「閉てる」とも書く。 「開いた口に戸は立てられぬ」「世間の口に戸は立てられぬ」ともいう。
良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし)
体に効く薬ほど喉を通りにくい。人からの言葉も同じで、当人のためを思ったものほど、その場では受け取りにくい。
目で見て口で言え(めでみてくちでいえ)
何事も自分の目で確認してから口にせよということ。見てもいないことをとやかく言ってはいけないという戒めのことば。
病は口より入り、禍は口より出ず(やまいはくちよりいり、わざわいはくちよりいず)
病気は、食べたり飲んだりして口から入れる物がもとでかかり、災難は、うっかり口にした言葉がもとで降りかかる。飲み食いにも物言いにも用心せよという教え。
下種の口に戸は立てられぬ(げすのくちにとはたてられぬ)
品性の卑しい人間は、人の迷惑など考えず勝手なことをいいふらすが、防ぎようがないということ。
あったら口に風邪をひかす(あったらくちにかぜをひかす)
親切な気持ちで言ったことが無駄になるたとえ。「あったら」は「あたら」が転じた言葉で、残念なことにの意。 「口に風邪を引かす」「無用の口に風邪を引かす」ともいう。
敵の家でも口を濡らせ(かたきのいえでもくちをぬらせ)
たとえ敵の家でも出された食べ物には口をつけるのが礼儀だということ。つまり、いかなる場合も礼儀を守らなければならないということ。「口を濡らせ」は、少しだけでも飲食せよということ。本来は酒について言った言葉。
堪忍袋の口を開ける(かんにんぶくろのくちをあける)
長いあいだ我慢してきたが、とうとう怒りを抑えきれなくなること。 「堪忍袋」は、辛抱できる心の広さを袋にたとえた言葉。 「堪忍袋の緒を切らす」「堪忍袋の口を開ける」ともいう。
匙の先より口の先(さじのさきよりくちのさき)
薬の調合の匙加減より、患者の機嫌取りばかり上手なやぶ医者を皮肉っていう言葉。
民の口を防ぐは水を防ぐよりも甚だし(たみのくちをふせぐはみずをふせぐよりもはなはだし)
人々の言論の自由を封じることは、川の水をせき止めることよりも困難で危険であるということ。人民の言論の自由を奪うことの危険性をいった言葉。
天に口あり地に耳あり(てんにくちありちにみみあり)
秘密や悪事は、とかく人に漏れやすいということ。 まるで天や地が話したり聞いたりするかのように、話が広まるとの意から。 略して「天に口」ともいう。
天に口なし人を以て言わしむ(てんにくちなしひとをもっていわしむ)
誰が言い出したともなく世に行き渡った評判は、当人たちの思惑を越えたところから出ている。そこには相応の理由があるとみて、軽んじてはならないとする。 また、伏せておいたはずの事柄が、いつしか人づてに広まる例にも当てはめる。
年寄りて達者なものは口ばかり(としよりてたっしゃなものはくちばかり)
年寄りは体力や気力は衰えても、口だけは元気だということ。
泣く口は物食う(なくくちはものくう)
泣いているときであっても、食べることだけはやめられないということ。
雲雀の口に鳴子(ひばりのくちになるこ)
休むことなくしゃべり続けて、うるさいことのたとえ。 「鳴子」は、板に小さな竹の管をいくつもつるし、揺らして音を立てる道具で、田畑に来る鳥をおどして遠ざけるのに用いる。ただでさえにぎやかに鳴くヒバリの口に、そのうえ鳴子まで付けたらどれほどやかましいか、ということから。
慌てる蟹は穴の口で死ぬ(あわてるかにはあなのくちでしぬ)
何事も焦ったり慌てたりすると失敗するというたとえ。 「慌てる蟹は穴の口で死ぬ」ともいう。
言う口の下から(いうくちのしたから)
言ったとたんに。言ったすぐあとから。 単に「口の下から」ともいう。
口が奢る(くちがおごる)
味が良いものや質の高いものなどを食べ慣れていて、食に贅沢であることのたとえ。
口が重い(くちがおもい)
言葉数が少なく、積極的には人と喋らないようす。
口が掛かる(くちがかかる)
芸人などが、客から呼ばれたり仕事の依頼を受けたりすること。
口が堅い(くちがかたい)
他人に言ってはいけないことを軽々しく口にしない様子。
口が軽い(くちがかるい)
言ってはいけないことまでも軽率に話してしまうこと。
口が肥える(くちがこえる)
味が良いものや質の高いものなどを食べ慣れていて、味の良し悪しに対する感覚が鋭くなること。 「舌が肥える」ともいう。
口が裂けても(くちがさけても)
何があっても決して言わないと強く思う気持ち。 「口が腐っても」ともいう。
口が寂しい(くちがさびしい)
口に何かを入れておかないと物足りなくて落ち着かない様子。
口が過ぎる(くちがすぎる)
相手に対して、言わなくてもいいことや失礼なことを言うことのたとえ。 「言葉が過ぎる」ともいう。
口が減らない(くちがへらない)
あれこれと屁理屈をつけて反論したり、負け惜しみを言ったりするようす。
口が曲がる(くちがまがる)
お世話になった人や目上の人に対して悪口を言うと、罰としてその口が歪むということのたとえ。 悪口をいうことを止めさせるときに用いる言葉。
口が回る(くちがまわる)
滞ることなく滑らかに喋ること。 または、話が巧みであること。 「舌が回る」ともいう。
口から先に生まれる(くちからさきにうまれる)
口が達者でお喋りな人に対していう言葉。
口が悪い(くちがわるい)
人の心を傷つけるようなことを平気でいう様子。
口に合う(くちにあう)
食べ物の味が自分の好みと合っていることのたとえ。
口にする(くちにする)
口にだして言うこと。 また、飲んだり食べたりすること。
口に出す(くちにだす)
思っていることを言葉にして話すこと。
口に任せる(くちにまかせる)
あまり深く考えず、言葉が口から出るままに発言すること。
口を入れる(くちをいれる)
他人の話に割り込むこと。 また、よけいな口出しをすること。
口を切る(くちをきる)
瓶などの容器の封を開けること。 また、大勢のなかで最初に発言すること。
口を極めて(くちをきわめて)
あらゆる言葉を尽くしていう様子。最大限の言葉を使う様。
口を揃える(くちをそろえる)
みなが同じ内容のことを言うこと。
口を出す(くちをだす)
他人が話しているところへ割り込み、自分の意見を述べること。口出しをすること。
口を閉ざす(くちをとざす)
何も言おうとせず沈黙すること。 「口を噤む」ともいう。
口を拭う(くちをぬぐう)
悪いことをしていながら素知らぬふりをすること。 また、知っていながら知らないふりをすること。 盗み食いをした後に、口の周りの汚れを拭いて素知らぬ顔をすることから。
口を糊する(くちをのりする)
たいへん貧しく、ぎりぎりの生活をすること。 「糊」は、粥(かゆ)のこと。 粥をすするような貧しい生活をするとの意から。
口を挟む(くちをはさむ)
他人が話しているところへ割り込み、自分の意見を言うこと。
口を開く(くちをひらく)
話をしはじめること。
口を封じる(くちをふうじる)
都合の悪いことを言ったり秘密が漏れたりしないように黙らせること。他言させないようにすること。
口を割る(くちをわる)
隠していた事について話し出すこと。白状すること。
大きな口を利く(おおきなくちをきく)
実力もないのに偉そうなことを言うこと。
口を濁す(くちをにごす)
はっきりとは明言せず、曖昧な表現で済ますこと。 「口を濁す」ともいう。
蛙は口から呑まるる(かえるはくちからのまるる)
余計なことを言ったために、災いを招いてしまうことのたとえ。 蛙は鳴き声をだすことから蛇に気づかれ、吞み込まれてしまう意から。
我が口に甘ければ人の口にも甘し(わがくちにあまければひとのくちにもあまし)
自分の好むことは他人もまた好むものである。 自分がよいと思うことは人にも施すべきであるということ。
呪うことも口から呪う(のろうこともくちからのろう)
言葉は慎むべきであるということ。 人を呪うときは口に出して言うし、自分に災いを招くのも口にした言葉が原因であることが多いことから。
口故に身を果たす(くちゆえにみをはたす)
言ってはならないことを口にしたり、思わず余計なことを言い過ぎたりして、自分の立場や身の上に大きな不利益を招くこと。 言葉は慎むべきであるという戒め。
口が酸っぱくなる(くちがすっぱくなる)
くどいほど同じ注意を言い聞かせるようす。言いすぎて口の中が酸っぱくなる意から。
口を衝いて出る(くちをついてでる)
考えるより先に、言葉があふれ出てくること。
財布の口を締める(さいふのくちをしめる)
無駄な出費を減らすため、金の使い方を厳しくすること。
口が滑る(くちがすべる)
隠しておくつもりだった事を、はずみで口にしてしまうこと。
口を利く(くちをきく)
言葉を交わすこと。また、間に立って両者の話をまとめること。
五月の鯉で口ばかり(さつきのこいでくちばかり)
口では手厳しいことを並べても、それだけで底意はないこと。鯉のぼりの大きな口に引き比べた言い方。
口がうまい(くちがうまい)
耳あたりのよい言い回しを繰り出して、相手の心を難なくこちらへ寄せてしまう。話の中身よりも運びかたで人を動かす質をいう。
口がうるさい(くちがうるさい)
①まわりの者が寄ると触ると話の種にするので、こちらが身を縮める。②ささいなことまで見とがめて、いちいち言わずにおかない。
口尚乳臭あり(くちなおにゅうしゅうあり)
一人前の口を利くには、まだ場数がまるで足りていない。 相手を子ども扱いして突き放すときの言い回しで、漢の高祖が敵の大将を評した場面に由来する。
口と腹とは違う(くちとはらとはちがう)
述べていることと、内に抱えている思いとがそろっていない。 腹は本心のたとえ。応対だけを取り繕う人を戒めていう。
口から出任せ(くちからでまかせ)
後先を考えず、その場で浮かんだことをそのまま口にすること。 裏づけのない言葉が次から次へと出てくるさまをいう。
口に年貢はかからない(くちにねんぐはかからない)
言うだけなら元手も代償もいらない。だから人は好きなように言い立てる。 年貢は田畑にかかる租税。舌の上を通るものに取り立ては及ばない。
口の虎は身を破る(くちのとらはみをやぶる)
口から出た一言が虎となって、言った本人に牙を剝く。物言いは控えめにという戒め。
口食うて一杯(くちくうていっぱい)
その日の食事をまかなうだけで手が一杯になる暮らし向き。
口に乗る(くちにのる)
世間であれこれ取り沙汰される。また、相手の言い分を鵜呑みにして動く。
目細あれども口細なし(めぼそあれどもくちぼそなし)
食い気ばかりは誰もが人並みで、そこを慎む人はいない。また、確かな目を持つ人は少なく、弁の立つ人ばかりが多いということ。
目を剝くより口を向けよ(めをむくよりくちをむけよ)
腹を立てて睨みつけるより、ことばで筋道を説くほうが人は動くということ。
自分の子には目口が明かぬ(じぶんのこにはめくちがあかぬ)
親は子の落ち度になかなか気づかず、気づいても責める気になれないということ。目も口もふさがってしまう意から。
口は虎、舌は剣(くちはとら、したはつるぎ)
ものの言いようひとつで人を噛み、自分をも斬るということ。 口は虎、舌は剣と並べて、言葉の荒々しさと鋭さを二つに分けて示した言い方。放てば相手に食いつき、返す刃で自分を傷つける。
口に出る(くちにでる)
胸の内にある思いや考えが、言葉となって外へ出ること。黙っておくつもりでいたのに、気がゆるんだ拍子などに、うっかり話してしまうときによく用いる。 自分から進んで言葉にする意味の[[口に出す*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6022.php]]に対して、思いのほうが言葉になってこぼれ出るような言い方。
頤の雫口に入らぬ(おとがいのしずくくちにいらぬ)
目と鼻の先といえるほど近くにあるのに、自分のものにならず、思いのままにも扱えないこと。 「頤」は下あごのこと。あごの先に垂れた水の粒は、口のすぐ下まで来ているのに、どうやっても飲みこめない。この句はその光景を借りている。「顎の雫、口に入らぬ」の「顎(あぎと)」も、あごの古い呼び名。
牆に目口あり(かきにめくちあり)
ないしょで交わした話やはかりごとでも、どこからか外へ伝わってしまいやすい、というたとえ。 「牆(かき)」は家のまわりを囲う垣根や塀のこと。塀のすぐ外で耳をすませて聞いている者がいる恐れもあるから、身内だけの席でも油断して秘密を話すなと、用心をうながす意味合いでも言う。 出どころは古代中国の『管子』で、昔から伝わる二つの言葉のうちの一つとしてこの句を引き、内々に練った計画が外部へ漏れることを指すと述べている。 [[壁に耳あり障子に目あり*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/2761.php]]とは、言っている中身がほぼ重なる。「垣に耳」「牆に目あり」「牆に目口あり」ともいう。
風口の蠟燭(かざくちのろうそく)
ほんの少しのきっかけで、あっけなく失われかねない物事。また、もろくて長もちしない物事のことも指す。 句の中の風口とは、風が吹きこんでくる口のこと。その前に置かれたろうそくの火は、わずかな風にもあおられて、たやすく吹き消される。その危うさから、はかないものを言い表す。 今にもだめになりそうな危ない様子をいう[[風前の灯火*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1340.php]]と、意味の上ではほぼ重なる。
口あれば食い、肩あれば着る(くちあればくい、かたあればきる)
人はだれでも、毎日の食べ物や着る物くらいはどうにか手に入れて、この世を生きていける、ということ。 だから、この先の暮らしをあまり心配しなくてもよい、と伝えたいときに使う。 人の体に、食べるための口と、着物を掛ける肩がついている以上、食べる物と着る物は自然と手に入ると考えたもの。 「口あれば食って通る、肩あれば着て通る」ともいう。 これと似た考え方のことわざに「[[生き身に餌食*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7986.php]]」がある。
口から高野(くちからこうや)
うっかりもらした一言がもとで、大きな痛手をこうむることのたとえ。 「高野」は、真言宗の寺々が集まる高野山(和歌山県)を指す。軽はずみな発言が災いして、髪をそって僧になり、山へ入るはめに追いこまれる、という筋立てから生まれた。 言葉に気をつけないと身に災いがふりかかる、という教えをふくみ、「[[口は災いの元*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/311.php]]」と同じ戒めを伝える。
口がほぐれる(くちがほぐれる)
こわばっていた気持ちがゆるんで、それまで黙りがちだった人が、だんだん口を開いていくこと。 「ほぐれる」は、結ばれたり絡まったりして固まっていたものがばらけ、やわらかな状態にもどるという意味。ここでは、人前での緊張や遠慮でかたく閉じていた口が、結び目がとけるようにゆるんで、言葉が出てくる様子を表したもの。 反対に、言葉が少なくてなかなか話さないようすは[[口が重い*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6005.php]]という。 漢字では「口が解れる」とも書く。
口でけなして心で褒める(くちでけなしてこころでほめる)
口ではわざと手きびしいことを言っておきながら、胸の内ではその人の力やよさをしっかり認めていること。 「貶す」は、相手のおとった点をわざわざ並べて、悪く言うという意味。表向きは辛口でも、その裏には相手を大切に思って見守る温かい気持ちがひそむものだ、と人の心の奥をとらえている。 反対に、うわべは愛想よくふるまいながら腹の中では相手をおとしいれようとたくらむことは、[[口に蜜あり、腹に剣あり*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/960.php]]と言い表す。 漢字では「口で貶して心で褒める」、また「口で貶して心でほめる」とも書く。
くちなわの口裂け(くちなわのくちさけ)
欲ばりが過ぎて、かえってわが身をほろぼすはめにおちいるたとえ。 「くちなわ」は蛇の別の呼び名。蛇が自分の口よりも大きなえものまでのみこもうとすれば、口のほうが裂けてしまう。そんな蛇の姿を、どこまでも欲を出す人の行く末に重ねた。 欲を出しすぎたためにひどい目にあう、という点では[[欲の熊鷹、股裂くる*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1643.php]]と通じ合う。 漢字を当てて「蛇の口裂け」とも書く。
口に甘いは腹に毒(くちにあまいははらにどく)
味のよい物ほど、つい度を越して食べてしまい、かえっておなかをこわす元にもなる。 これが転じて、耳に心地よいうまい話やほめ言葉をすぐに信じて気をゆるめ、人のたくらみにまんまとはまる危うさのたとえ。 「口に甘きは腹に害あり」ともいう。甘い言葉の裏で悪いことをたくらむ人の心を表した句に、[[口に蜜あり、腹に剣あり*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/960.php]]がある。
口に栄耀身に奢り(くちにえようみにおごり)
食べる物にも着る物にも、必要をはるかに超えるほどお金をかけて、ぜいたくに日々を送ること。 「栄耀」と「奢り」はどちらも、ぜいたくという意味。口で味わう食べ物と、身にまとう衣服の両方で、おごった暮らしをするさまを述べた言い方。「栄耀」は「えいよう」とも読む。 逆に、質素な食事と身なりに満足して暮らすことを[[淡きを食らい薄きを着る*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/8750.php]]という。
口に税はかからぬ(くちにぜいはかからぬ)
世の中のたいていのものには税金がかかるが、ただしゃべるだけなら、何を言っても取り立てられはしない。だから口先だけなら、どれほど勝手なことでも口にできる。それをいいことに、身勝手なことを遠慮なく言い放つふるまいのたとえ。 「口に税金はかからない」ともいう。 「税」を「年貢」に置きかえた「[[口に年貢はかからない*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/8355.php]]」も意味は同じ。また、「[[口には関所がない*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/958.php]]」も、しゃべる言葉をさえぎる手立てはないという点で意味が近い。
口に地代は出ない(くちにじだいはでない)
地代は、土地を借りている人が持ち主に払う借り賃のこと。土地を使えば代金を求められるが、口から言葉を出しても、だれもその料金を取りには来ない。元手のいらない口先なら、どれほど大きなことでも、わがままなことでも言えてしまう。そうした勝手な物言いを、地代に結びつけて表したたとえ。 地代のかわりに税や年貢を持ち出した「[[口に税はかからぬ*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/9297.php]]」「[[口に年貢はかからない*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/8355.php]]」も、同じ意味のことわざ。
口に使われる(くちにつかわれる)
毎日の食べ物を得て暮らしていくために、気持ちのゆとりもないまま、せわしく働き通しになること。 「口」は物を食べることの意。食べるという務めに、まるで召し使いのようにこき使われる身の上に見立てていて、暮らしを立てるための苦労をいう。 食べるために働く身の上を語った別の句に、[[食おうとて痩せる*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/8550.php]]もある。
口は心の門(くちはこころのもん)
胸の内にある考えや気持ちは、ふとした話の中に、つい出てしまいやすいものだ。だから、口を開く前に、言葉をよく選んで慎重に話すべきだと戒める。 「門」は家に出入りするための口。心の奥から外の世界へ、考えや気持ちが抜け出していく通り道として口を見ている。 同じく口を「門」にたとえ、うかつな言葉が災いを呼ぶと戒める句に、[[口は禍の門*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/311.php]]がある。
口ほどにもない(くちほどにもない)
自分の力について口で言っていたことに、実際の働きが及んでいない。腕前も中身も、言葉で示したほどには立派でなく、たいして値打ちがない。 自信ありげに語っていた人が、いざやらせてみると期待外れだったとき、そうした人を指していう。 「口程にもない」と漢字で書く場合もあり、また「口程もない」ともいう。 口先ばかりで行いの伴わない者をいう言葉に[[口弁慶*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/965.php]]がある。
口脇黄ばむ(くちわききばむ)
年が若く、世の中でもまれた経験もまだ少ない者を、半人前だと見くびってからかう言葉。 「口脇」は唇の両はしのこと。口もとの黄ばみがまだ抜けきっていないことになぞらえ、年がいかず一人前になりきれない未熟さを表す。 相手の若さや経験の浅さを軽んじて使う点で、幼い鳥にたとえた[[嘴が黄色い*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/962.php]]や、乳のにおいが抜けないという[[口尚乳臭あり*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/8153.php]]と、ほぼ同じ趣旨で用いられる。
口を酸っぱくする(くちをすっぱくする)
相手にきちんと分かってもらおうと、同じ忠告や注意を何度も重ねて伝えること。 使うときは「口を酸っぱくして」とつなげ、「言う」「言い聞かせる」「注意する」などの言葉を後ろに続けることが多い。また「口を酸くする」という形も見受けられる。 助詞と動詞を「が」と「なる」に替えた[[口が酸っぱくなる*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7779.php]]と、言い表す中身は同じといってよい。
口を滑らす(くちをすべらす)
言わなくてもよい余計なことや、人に隠しておくはずの秘密を、うかつにも話に出してしまう失敗をいう。 わざと言うのではなく、気がゆるんでいるうちに言葉が出てしまうのであり、言ったあとで「しまった」と気づくことになる。「口を滑らせる」という形でも使う。 「口」を主語にした言い方の[[口が滑る*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7845.php]]とは、形が違うだけで、表す内容に大きな違いはない。
口を叩く(くちをたたく)
まわりに遠慮せず、心に浮かぶまま勝手気ままに、次から次へとしゃべり立てることをいう。 よい意味で使われることはまれで、たいていは、言い方がずうずうしい、遠慮がないと、その人をとがめる響きがある。「大きな口を叩く」「生意気な口を叩く」のように、どんな口なのかを前に付けて言うのがふつうである。 「口」の前に言葉を付けた言い方には、[[大口を叩く*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/5265.php]]・[[陰口を叩く*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/5624.php]]・[[軽口を叩く*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6674.php]]・[[憎まれ口を叩く*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/5557.php]]・[[減らず口を叩く*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6753.php]]・[[無駄口を叩く*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6888.php]]などがある。
口を慎む(くちをつつしむ)
ものを言う前によく考え、言わずにすむことや軽はずみな一言を、口に出すまいと気をつけること。 相手の心に障るような言葉や、他人の事情に立ち入るおせっかいな口出しを控えるのも、口を慎むことにあたる。度の過ぎた物言いをする人に向かって、注意をうながすときにも口にされる。 反対に、言わずともよいことまで口にするのは[[口が過ぎる*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6013.php]]といい、うかつな一言が身の災いになると教えることわざに[[口は災いの元*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/311.php]]がある。
口を尖らす(くちをとがらす)
望んだとおりにいかず、納得できない思いが顔にはっきりと出る様子をいう。腹を立てて言い返すときや、相手と言い合いになったときの口もとを指しても用いる。 もとは、くちびるを前につき出して口の先をとがらせる表情のこと。「口を尖らせる」の言い方でも通じる。 同じしぐさを「唇」で言い表した[[唇を尖らす*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/9301.php]]も、指すところはほぼ重なる。くちびるの動きで心の内を示す語には、ほかに、くやしさをこらえる[[唇を嚙む*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7781.php]]がある。
口を塞ぐ(くちをふさぐ)
相手に口をきかせないよう手を打つこと。 とくに、自分のした悪事や他人に隠しておきたい秘密を知っている者に裏で手を回し、そのことをよそでしゃべれなくさせるときに使う。お金や品物を渡して頼みこむ、相手をおどすといったやり方で黙らせる例が多い。 同じく「口」を使った言い方で、似た意味を表すものに[[口を封じる*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6043.php]]がある。
口を守る瓶の如くす(くちをまもるかめのごとくす)
自分の口を瓶(かめ)にたとえて、うっかりした言葉が外へこぼれ出ないよう、話す言葉にはよくよく用心せよと教える言葉。 考えなしに何でもしゃべっていれば、意外なところで人の機嫌を損ねたり、言わなくてよいことまで漏らしたりしかねない。だから、ふだんから口元を固く閉じておけということ。 南宋の末に生きた周密(しゅうみつ)の書物『癸辛雑識(きしんざっしき)』に、「守口如瓶」の形で見える。言葉への用心を説く点で、[[口は災いの元*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/311.php]]や[[口を慎む*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/9308.php]]と通じる。
