「徳」の意味・類語

「徳」(とく)の意味・読み方を解説します。類語もあわせて確認できます。
徳
とく
| 言葉 | 徳 |
|---|---|
| 読み方 | とく |
| 意味・例文 |
|
「徳」の類語(同義語)・言い換え
「徳」の別の言い方や言い換え、近い意味を持つ言葉の一覧です。
「徳」で使われている漢字
| 部首 | 彳部(ぎょうにんべん) |
|---|---|
| 画数 | 14画 |
| 音読み | トク |
| 意味 | 人の身にそなわった品性。特に道徳的にすぐれた人格や行い。また、それを有する人 など |
「徳」を含む四字熟語
報怨以徳(ほうえんいとく)
受けた怨みに対して、恩徳を持って接して恩恵を与えること。 「怨みに報(むく)ゆるに徳を以(も)ってす」とも読む。
道之以徳(どうしいとく)
道徳心を育てることで、人々は各々に考え、正しい生き方や考え方をするようになるということ。 「之(これ)を道(みちび)くに徳を以(もっ)てす」とも読む。
悖徳没倫(はいとくぼつりん)
人の道を外れた行いのこと。 「悖徳」は徳に背いたり、逆らったりすること。 「没倫」は人としての道徳をなくすこと。 「徳に悖(もと)り倫(みち)を没(ぼっ)す」とも読む。
玩人喪徳(がんじんそうとく)
人を見くびって軽く扱うと、自身の徳を失うことになるということ。 「玩人」は人を軽く見てもてあそぶこと。 「人を玩(もてあそ)べば徳を喪(うしな)う」とも読む。
巧言乱徳(こうげんらんとく)
口先だけのきれいごとは、人の心を惑わして徳を乱すことになるという意味。 「巧言」は相手に気に入られるように飾った言葉。 「乱徳」は徳を乱すこと。 中身のない口先だけの言葉は、人を惑わし、自身の信頼を失って、人の道を誤らせるという意味から。 「巧言(こうげん)は徳を乱(みだ)る」とも読む。
盛徳大業(せいとくたいぎょう)
大きくすぐれた徳と大きな事業。 「盛徳」はすぐれた高い徳。 「大業」は社会的に価値や重要性がある大きな仕事。 大きな徳があり、すぐれた人格のある君子が目標とするもののこと。
一徳一心(いっとくいっしん)
目的や利益が同じ者同士が心を一つにして事にあたること。 または、君主と臣下が心を合わせ団結して物事を行うこと。 「徳を一(いつ)にし心(こころ)を一(いつ)にす」とも読む。 「一心一徳」ともいう。
度徳量力(たくとくりょうりき)
自身の持つ徳や信望、力量をしっかりと確かめること。 または、確かめた後に能力に応じて事にあたるべきであるということ。 「度」と「量」はどちらも測るという意味。 「徳を度(はか)り力(ちから)を量る」とも読む。
三従四徳(さんじゅうしとく)
昔の中国の女性への教え。 「三従」は従うべき三つのことで、幼い時は父親に従い、嫁いだ後には夫に従い、年老いたら子どもに従うべきであるということ。 「四徳」はいつもの生活で心がけるべき四つのことで、女性としての節操を守ることをいう婦徳、言葉遣いをいう婦言、身だしなみをいう婦容、家事をいう婦功のこと。
歌功頌徳(かこうしょうとく)
他人の功績や徳を褒め称えた歌を歌うこと。 「歌功」は功績を褒め称えて歌うこと。 「頌徳」は徳の高さを褒め称えること。 「功を歌い徳を頌う」とも読む。
功徳兼隆(こうとくけんりゅう)
素晴らしい功績があり、それに見合った人徳があること。 「功徳」は功績と人徳。 「兼隆」は盛んな様子。 中国の唐の皇帝の太宗を褒め称えた言葉から。
功徳無量(こうとくむりょう)
功績や恩恵がこの上なく大きいこと。 「功徳」は功績と人徳。 「無量」は計ることが出来ないほど多いこと。 仏教の言葉で、信仰によって仏からの恩恵を授かること。
徳高望重(とくこうぼうじゅう)
高い人徳があり、多くの人たちからの信望があること。 「徳(とく)高く望(ぼう)重し」とも読む。
徳量寛大(とくりょうかんだい)
立派な徳を持っていて、広く大きな心があること。
陰徳陽報(いんとくようほう)
誰にも知られないように善い行いをすると、必ずよい報いがあるということ。 「陰徳」は人知れずに善い行いをすること。 「陽報」は一目でわかるよい報いのこと。 「陰徳あれば必ず陽報あり」とも読む。
年高徳邵(ねんこうとくしょう)
年をとっていて、しかも徳が高いこと。年長で人望のあることをいう。 「年高」は年齢が高いこと、「徳邵」は徳がすぐれていること。「邵」は高い、うるわしいの意。 年を重ねるほど徳も高まっていく人こそ、孔子の教えを受け継ぐ者だ、という言葉から。
報恩謝徳(ほうおんしゃとく)
受けた恩義や徳に対して感謝の気持ちを持ち、見合ったお返しをすること。 「報」は報いる、お返しをすること。 「謝」は礼をいうこと。
一飯之徳(いっぱんのとく)
ほんのわずかな恩義のこと。 一度食事をご馳走になっただけの少しだけの恩義という意味で、そのような少しの恩義でも忘れてはいけないという戒めの言葉。
陰徳恩賜(いんとくおんし)
ひそかに善い行いをしている人は、必ずよい報いがあり、恩恵を受けることができるということ。 「陰徳」はひそかに行う善行。 「恩賜」はありがたい恩恵。
九損一徳(くそんいっとく)
費用が多くかかり、あまり利益にならないこと。 九回損をして、一回得をするという意味から。 「鞠は九損一徳」を略した言葉で、蹴鞠に熱中すると十の中で九は損をするという意味から。 「九損一得」とも書く。
厚徳載福(こうとくさいふく)
高い徳がある人は、幸福を身に受けること。 または、幸福を受けられること。 「厚徳」は高い徳があること。 「載福」は幸福を身に受けること。
才徳兼備(さいとくけんび)
すぐれた才能と知恵、人徳を持っていること。 「才徳」は才能、知恵、人徳。 「兼備」はどちらも身に付けていること。
智徳俊英(ちとくしゅんえい)
すぐれた知識と徳のどちらも持っていること。 または、そのような人のこと。 「智徳」は知識と徳のどちらも持っていること。 「俊英」はすぐれていること。 「知徳俊英」とも書く。
不争之徳(ふそうのとく)
人と争わないという人格。 「不争」は人と争いをしないこと。 「徳」は立派な人格。 本当に強い人は争わず、戦わず、人を使うことがうまい人は、人に謙るということ。 老子が説いた言葉。
積功累徳(しゃっくるいとく)
仏教語。修行に努め、功徳を積み重ねていくこと。
則以観徳(そくいかんとく)
定められたきまりを目安として、人の徳のよしあしを見きわめること。 評価する側が、その場の好き嫌いによらず、はっきりした規範をよりどころに人物を判断すべきだとする考え。 まず則(きまり)に照らしてその人の徳を見定め、その徳をもとに仕事を任せ、仕事の成果で功績をはかり、功績に応じて禄を与え、民の暮らしを支える、という為政の順序を説いた一句の冒頭にあたる。 「則」は規則・規範のこと。 この語のあとに「徳(とく)を以(も)って事(こと)を処(しょ)し、事(こと)を以(も)って功(こう)を度(はか)り、功(こう)を以(も)って民(たみ)を食(やしな)う」と続く。
「徳」を含む故事・ことわざ・慣用句
父の恩は山より高く、母の徳は海より深し(ちちのおんはやまよりたかく、ははのとくはうみよりふかし)
父母から受けた恩は広大で深いということ。 両親の愛情をたとえたもの。 「父母の恩は山よりも高く海よりも深し」ともいう。
早起きは三文の徳(はやおきはさんもんのとく)
人より先に起き出した者には、その分だけ拾えるものがある。 一度きりでは知れた額でも、積もれば侮れない。 「三文」は、数えるに足らない小銭のこと。 「朝起きは三文の徳」「早起きは三文の得」「朝起きは七つの徳」ともいう。
酒に十の徳あり(さけにとおのとくあり)
酒には次の十の長所があるということ。百薬の長、延命の効あり、旅行の食となる、寒さを凌げる、持参に便利、憂いを忘れさせる、位なくして貴人と交われる、労苦を癒す、万人と和合できる、独居の友となる。
怨みに報ゆるに徳を以てす(うらみにむくゆるにとくをもってす)
投げつけられたものを、そっくり投げ返さない。むごい扱いをした者にこそ厚く遇し、争いの根を残さずにおく。
陰徳あれば必ず陽報あり(いんとくあればかならずようほうあり)
人知れず善い行いをする者には、必ず善い報いがあるということ。
後生は徳の余り(ごしょうはとくのあまり)
一生懸命に徳を積めば、おのずと来世の安楽もかなえられるということ。また、現世の暮らしに余裕があってこそ、来世の安楽を祈ることができるということ。
信心は徳の余り(しんじんはとくのあまり)
神仏を拝む気持ちも、暮らしに余力があってこそ起こるものだということ。日々食うに困っていては、信心どころではない。
徳は孤ならず必ず隣あり(とくはこならずかならずとなりあり)
行いの正しい者が独りぼっちで終わることはない。同じ方を向く者がそばに立ち、頼まずとも手を貸してくれる。
徳を以て怨みに報ゆ(とくをもってうらみにむくゆ)
敵意を向けてくる者にも、こちらは相手の益になる振る舞いで応じる。打ち返す手を出さずに受け止め、いがみ合いをそこで終わらせる。
隠れての信は顕われての徳(かくれてのしんはあらわれてのとく)
心中に秘めている誠実さは、いつか自然に外にあらわれて自分自身の利得になるということ。 心中に神仏への信仰心があれば、必ずご利益があるとの意から。 「隠れたる信あらば顕われたる利生」「隠れたる信あらば顕われたる験」ともいう。
富は屋を潤し徳は身を潤す(とみはおくをうるおしとくはみをうるおす)
蓄えが増せば住まいが見栄えよくなるように、徳を積めばその人となりに自ずと重みが備わるものだ。
郷原は徳の賊(きょうげんはとくのぞく)
うわべの人当たりのよさで郷里の評判を集めている者こそ、世の正しさを内から損なう害だということ。郷原は、村里で立派な人物として通っている見せかけだけの手合い。
臨済の喝、徳山の棒(りんざいのかつ、とくざんのぼう)
臨済は大声を浴びせ、徳山は棒で打った。ふたりの禅僧が弟子を鍛えるのに用いた荒っぽい手だてで、道を求める場の容赦のなさをいう。
不徳の致すところ(ふとくのいたすところ)
己の身の修めようが浅かったせいだ、と引き受ける言い方。人前で頭を下げるとき、非を他へ回さずに自分の側へ寄せるために使う。
陰徳は末代の宝(いんとくはまつだいのたから)
名を伏せたまま積んだ行いは、末長く家を支える財となる。 その徳は当人一代で尽きず、子や孫の代まで及んで身を助ける。 「陰徳」は、見返りを求めずに陰で施す情けをいう。
